日本大百科全書(ニッポニカ) 「態度調査」の意味・わかりやすい解説
態度調査
たいどちょうさ
attitude survey
特定の事柄や問題についての好き嫌いや評価、または意見などを質問票や面接によって収集し、それを通して個人や集団の態度を把握しようとするもの。これは社会学的な調査研究の一環として発展したもので、事実的な資料を収集する実態調査と区別される。だが態度調査にも、投票行動の調査や国勢調査のような客観的事実に関する調査もあるわけで、厳密に区別することはできないが、個人や集団がもっているイデオロギーや諸個人の社会意識といった主観的な次元、または生活様式、信念、欲求などに関する構えを他の社会・文化的、政治・経済的要因との関連においてとらえようとする科学的調査といえる。態度を数量的に測定するために物差しに相当する態度尺度attitude scaleが用いられる。態度尺度は、基本的に、ある問題に対する諸個人の回答または反応を賛成・反対の両極端のどこかの位置に当てはめるようにつくられているが、尺度それ自体に信頼性と妥当性が求められる。
[柴野昌山]
『林知己夫編『社会調査ハンドブック』(2002・朝倉書店)』