日本大百科全書(ニッポニカ) 「慶州石窟庵」の意味・わかりやすい解説
慶州石窟庵
けいしゅうせっくつあん
韓国(大韓民国)、慶尚北道(けいしょうほくどう/キョンサンプクド)慶州(けいしゅう/キョンジュ)市の吐含山(とがんさん)中腹にある仏教石窟。統一新羅(しらぎ)時代の景徳王10年(751)造営といわれ、新羅石彫美術の最高作品である。花崗岩(かこうがん)切り石を使用し、穹窿(きゅうりゅう)状天井の円形の主室と長方形の前室、両室を結ぶ間道からなる。前室に八部神衆、仁王像(におうぞう)、間道に四天王像が陽刻されている。主室は、中央に高さ3.26メートルの釈迦如来(しゃかにょらい)坐像があり、周囲壁面に十一面観音、羅漢像が陽刻され、上部の龕室(がんしつ)に仏像が安置されている。1995年、仏国寺とともに世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。
[定森秀夫]