成り合ふ(読み)ナリアウ

デジタル大辞泉 「成り合ふ」の意味・読み・例文・類語

なり‐あ・う〔‐あふ〕【成り合ふ】

[動ハ四]
でき上がって整う。整った姿になる。
「まだ―・はぬ仏の御飾りなど見給へおきて」〈東屋
成長する。成熟する。
「かた生ひの―・はぬほどともなく」〈夜の寝覚・五〉
互いに連絡して一緒になる。
御方の者どもが敵と―・ひて後ろ矢を射るよと」〈太平記・一五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「成り合ふ」の意味・読み・例文・類語

なり‐あ・う‥あふ【成合】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
  2. できてよく合う。なりととのう。すべての部分ができあがる。完成する。
    1. [初出の実例]「吾が身は、成り成りて成合(なりあは)ざる処一処在り」(出典古事記(712)上)
  3. 十分に成長する。成熟する。一人前になる。
    1. [初出の実例]「まだ幼くなりあはぬ人をさし越えて、かくは言ひ馴るべしや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
  4. 連絡して一つになる。なれあって親しくなる。内応する。気脈を通じる。
    1. [初出の実例]「御方(みかた)者共が敵と作合(ナリアヒ)て後矢を射るよと思はれければ」(出典:太平記(14C後)一五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android