成田山門前四ヵ町(読み)なりたさんもんぜんよんかちよう

日本歴史地名大系 「成田山門前四ヵ町」の解説

成田山門前四ヵ町
なりたさんもんぜんよんかちよう

[現在地名]成田市本町仲町田町・上町・幸町

成田山新勝寺の門前通に位置する成田村のなかの町場で、近世には南西から来る成田道(佐倉道)に沿って、順にだい(台宿)なか(中宿)ほん(本宿)町の四町で構成されていた。新勝寺の日記(新勝寺文書)に「四ケ町」とみえ、門前通り以外の場所は田中たなか(田町のうち)および谷津やつ(本町のうち)などとよばれた。元禄一四年(一七〇一)の成田村寺社指出帳(豊田家文書)では家数九八で、旅籠屋は一軒もないとあることから、当時の成田村は周辺諸村と同様に普通の農村であった。村から門前町へと移行するのは同一六年に新勝寺が江戸出開帳を成功させ、江戸の庶民に成田参詣が浸透したことによる。享保(一七一六―三六)頃の様子を佐倉藩士渡辺善右衛門が著した「古今佐倉真佐子」は、参道両側に町家が並び、うどんや蕎麦を売る二軒の倹飩屋と、菓子を製造販売する菓子屋、外郎薬を売る薬屋があるとしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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