われ【我】 にも=あらず[=なく]
①
自分であるという気がしない。人ごこちがしない。うわの空で。
無我夢中で。無意識の
うちに。思わず知らず。
※竹取(9C末‐10C初)「
御子は
われにもあらぬけしきにて、きもきえゐ給へり」
※
煤煙(1909)〈
森田草平〉八「要吉は我にもなくその手を執った」
② 自分の
本心からではなく。不本意ながら。やむをえず。しぶしぶ。
※
今昔(1120頃か)二六「俄に荒き風出来て、澳
(おき)の方へ吹持行けば、我にも非で流れ行ければ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「我にもあらず」の意味・読み・例文・類語
我にもあら◦ず
1 われを忘れて。無我夢中で。
「―◦ず言い訳しようとしたのを」〈康成・伊豆の踊子〉
2 自分であるという気がしない。人心地がしない。
「御子は―◦ぬけしきにて」〈竹取〉
3 本心からでなく。しぶしぶ。
「いたく乞ひければ、―◦で取らせたりければ」〈宇治拾遺・一四〉
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