所務分(読み)しょむわけ

精選版 日本国語大辞典 「所務分」の意味・読み・例文・類語

しょむ‐わけ【所務分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世、荘園所領における相論和解和与)の一種で、下地分割にまで及ばず、所務関係にとどまるもの。
    1. [初出の実例]「当庄神社仏寺并田畠山野葦原以下領家地頭可所務分〈坪付注文在別紙〉事」(出典:古蹟文徴‐一・弘安四年(1281)三月三日・平致経以下三名連署和与状)
  3. 遺産分配。また、形見わけ。しょうぶわけ。
    1. [初出の実例]「よき女に敷金付て送るは、他人の所務分(ショムワケ)とって、跡吊(とは)ぬよりむごし」(出典:浮世草子好色二代男(1684)三)

しょうぶ‐わけ【所務分】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しょむわけ(所務分)」の変化した語 ) 遺産の分配。形見分け
    1. [初出の実例]「所分(しょぶん)を、しゃうぶわけ」(出典:かた言(1650)三)
    2. 「親からの勝負分(シャウブワケ)に田地四五反ゆづりをうけ」(出典:浮世草子・沖津白波(1702)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android