手打連中(読み)てうちれんじゅう

精選版 日本国語大辞典 「手打連中」の意味・読み・例文・類語

てうち‐れんじゅう‥レンヂュウ【手打連中】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代歌舞伎で、顔見世狂言の時、祝儀のために手をうつ団体。上方では大坂の大手連・笹瀬連、京都の大笹連・笹木連などの観劇団体をいい、揃いの衣装を着て舞台前に座し、役者の紹介の際に贈物をしたり、立上がって手をうったり、舞台に出て芸をしたりした。江戸でも、狂言中に手をうってほめる観劇団体があった。手打連。
    1. [初出の実例]「かほみせのその人よりもそばそばでとちめん棒の手うち連中」(出典:狂歌・徳和歌後万載集(1785)四)
    2. [その他の文献]〔戯場楽屋図会(1800)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の手打連中の言及

【連中】より

…見連(けんれん),組,組見(くみけん)ともいう。上方では古くから手打連中というものがあり,顔見世のときには一座の俳優に進物を贈り,茶屋の軒には連中の印のある箱提灯をかけ,揃いの頭巾をかぶって奇妙な手を打った。なかでも享保から安永にかけて(18世紀),次々とできた大坂の〈笹瀬〉〈大手〉〈藤石〉〈花王(さくら)〉のいわゆる四連中が有名である。…

※「手打連中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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