手拍(読み)てばたき

精選版 日本国語大辞典 「手拍」の意味・読み・例文・類語

て‐ばたき【手拍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 左右のてのひらを打ち合わせて鳴らすこと。
    1. (イ) 物事に感動したりなどしてたたくこと。拍手
      1. [初出の実例]「二人の者手はたきしてわらふ」(出典:天正本狂言・柿喰山伏(室町末‐近世初))
    2. (ロ) 人を呼んだり、注意を喚起したりするなどのためにたたくこと。
      1. [初出の実例]「手ばたきチョンチョン『これわかいしゅ、酒を〈略〉もってきてくんねい』」(出典:洒落本・広街一寸間遊(1778))
  3. 所持するものを使いはたして、空手となること。てばらい。
    1. [初出の実例]「もはやしょじのきんすもてばたきをしてしまひ」(出典:黄表紙・延寿反魂談(1789))

て‐たたき【手拍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手をたたき鳴らすこと。拍手。
  3. 江戸時代遊里遊戯の一つ。
    1. [初出の実例]「かくされぬ・手たたきに勝つよい女房」(出典:雑俳・五色墨(1809))
  4. 江戸時代、長門国山口県)下関地方で、船中で売春した私娼のこと。停泊中の船に向かい、手をたたいて客を誘ったところからいう。
    1. [初出の実例]「下の関にて手拍(タタキ)とは船を見掛て手をたたくより号(なづ)く」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)里のをだ巻評)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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