手長神社(読み)てながじんじや

日本歴史地名大系 「手長神社」の解説

手長神社
てながじんじや

[現在地名]諏訪市上諏訪 茶臼山

高島たかしま城の北東、茶臼山ちやうすやま城跡中腹高島城下眼下にみる手長丘にあり、祭神は手摩乳命。諏訪大社の末社で、上桑原かみくわばら村の氏神。手長の名は「諏方大明神画詞」に、諏訪湖御神渡おみわたりに関連して、「後三条院御宇延久年中、当所ニ一生不犯ノ行者アリケリ、(中略)願ハ明神御渡ノ儀ヲ拝セント祈リテ、夜々湖水ヲ渡テ寒水ニ臥ス事累日ナリ、或夜五更ニ及テ千万ノ軍卒発向ノ勢アリ、(中略)そらニ声アリ、手長アリヤ目キタナキモノ取テ捨ヨト聞コユ」とみえ、口碑にも、手長の神は諏訪明神の手助けをした神であると伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「手長神社」の意味・わかりやすい解説

手長神社
てながじんじゃ

長野県諏訪(すわ)市茶臼(ちゃうす)山に鎮座。手摩乳命(てなずちのみこと)を祀(まつ)る。諏訪湖畔に築かれた高島城の艮(うしとら)にあたるところから旧藩時代には城郭鎮護の鎮守社とされ、下桑原郡の産土(うぶすな)神として現在も崇敬されている。宝物に諏訪家奉納の絵巻一巻、太刀(たち)二口などがある。例祭9月15日。本殿神明造)をはじめとして17社を数える境内神社にはすべて御柱(おんばしら)が立っている。

[吉井貞俊]

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