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扼死 やくし

大辞林 第三版の解説

やくし【扼死】

扼殺による死。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

扼死
やくし

手や腕で頸(けい)部を強く圧迫(扼頸、扼喉(やくこう))し、死に至らしめることで、扼殺ともいう。扼喉は、転じて「急所を押さえて死命を制すること」の意にも用いられる。扼死は多くの場合、片手、または両手で頸部を左右から圧迫し、同時に後方へも圧迫する。片手を後頸部に回したり、頸部を壁、床、地面に固定して圧迫することもあれば、背後から腕絞め(マッギング)することもある。死因は、気道狭窄(きょうさく)による体内炭酸ガス(二酸化炭素)蓄積を伴った吸気性酸素欠乏の窒息と、頸部血管の不完全閉塞(へいそく)による脳血流障害の共同作用による。扼死では、顔面の暗紫赤色(チアノーゼ)、腫脹(しゅちょう)、眼結膜の微小出血点(溢血(いっけつ)点)が著明である。また、不規則、断続的な局所的作用力による頸部の皮下および筋肉の出血、喉頭軟骨の骨折がみられ、皮膚表面には指頭による皮下出血や爪(つめ)の擦過(さっか)による半月状爪痕(あと)(扼痕(やくこん))が生じる。爪痕は爪の先端が皮膚内側に作用するため、多くは爪の形とは反対の凹面の弧を形成する。被害者の防御創の爪痕もときにみられる。なお、肉眼的に扼痕がみられない場合もあり、こうしたときは組織学的な圧痕反応を利用して調べる。扼死のほとんどすべては他殺であり、被害者はおもに乳幼児、婦人である。異常性行為中に加害者がサディストの場合、誤って扼殺されることもある。[澤口彰子]

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