共同通信ニュース用語解説 「投資不適格債」の解説
投資不適格債
信用力が低く、元本償還や利息支払いができないデフォルト(債務不履行)の可能性が高い債券。ジャンク債とも呼ばれる。投資適格債に比べて利回りが高いため、投資対象として注目される場合もある。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「トリプルBマイナス」までを投資適格債、「ダブルBプラス」以下を投資不適格債に区分している。(ロンドン共同)
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翻訳|junk bond
信用力が低く、元本償還や利息支払いができないデフォルト(債務不履行)の可能性が高い債券。ジャンク債とも呼ばれる。投資適格債に比べて利回りが高いため、投資対象として注目される場合もある。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「トリプルBマイナス」までを投資適格債、「ダブルBプラス」以下を投資不適格債に区分している。(ロンドン共同)
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信用度が低く、元本償還や利息支払いができなくなるおそれのある国債や社債などの債券。投資リスクが高く、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性があるため、ジャンク(junk、がらくた)債、投機的債券(ハイイールド債)、高リスク債ともよばれる。格付けが「BB(ダブル・ビー)」以下の債券が投資不適格に区分されており、おもな格付け会社ではムーディーズ・インベスターズ・サービスが「Ba1」以下、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やフィッチ・レーティングスは「BB+」以下を投資不適格としている。これに対し、「BBB(トリプル・ビー)」以上の信用度が高く利回りの低い債券を「投資適格債」という。一般に投資不適格債は通常の債券より高利回り(ハイ・イールド)であるため、投資対象として注目を集めることがある。債券によっては、発行当初は投資適格債であったが、企業や国家などの発行体の信用度が低下して投資不適格債になることもある。
1980年代のアメリカでは、企業買収(LBO)のためにダミー会社を設立し、買収しようとする企業を担保に、ダミー会社の投資不適格債(社債)を発行して資金を集める手法が隆盛をきわめていた。とくに投資銀行家のマイケル・ミルケンMichael R. Milken(1946― )は大量の投資不適格債を扱い、ケーブル会社CNNの立上げなどに成功し、「ジャンク債の帝王(Junk Bond King)」とよばれた。日本でも1990年代前半に投資不適格債の発行が解禁され、世界的に投資適格債に投資不適格債を組み込んだ投資信託などを組成する手法が盛んになった。しかし2007年以降、アメリカで起きたサブプライムローン問題では、実態は投資不適格な債券に高い格付けを与えて投資適格としていた主要格付け会社への批判が集中した。国債では、アルゼンチン、キプロス、エジプト、ポルトガルなどの国債が投資不適格に分類されている。おもな格付け会社は2010年、債務危機に陥ったギリシア国債の格付けを投資不適格に引き下げ、2015年には原油価格の急落で財政が悪化したロシアの国債も投資不適格に格下げした。
[矢野 武 2015年9月15日]
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