掛け詞(読み)カケコトバ

デジタル大辞泉 「掛け詞」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ことば【掛け詞/懸け詞】

一つ言葉に同時に二つ意味をもたせる修辞法。「立ち別れいなばの山の峰におふるまつとし聞かば今帰りむ」〈古今離別〉の歌で、「いなば」に「立ち別れなば」と「因幡いなばの山」の意味が、また「まつ」に「松」と「待つ」の意味が含まれている類。和歌謡曲浄瑠璃などに多くみられる。
[類語]縁語枕詞序詞

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「掛け詞」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ことば【掛詞・懸詞】

  1. 〘 名詞 〙 修辞法の一つ。同じ音で意味の異なる語を用いて、それを上と下とに掛けて、二様の意味を含ませるもの。「立ち別れいなばの山の峯に生ふるまつとし聞かば今帰り来ん」の「往(い)なば」に「因幡(いなば)」をかけ、「松」に「待つ」をかける類。和歌、謡曲、うたい物、浄瑠璃等に多く用いられる。かかりことば。

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