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掛踊 かけおどり

世界大百科事典 第2版の解説

かけおどり【掛踊】

盆の踊りなどで踊り組が互いに踊りを掛けあい競いあう形態。室町末期から近世初期に流行した風流(ふりゆう)踊に特徴的に見られ,当時の記録類には扮装や歌にくふうを凝らし,趣向を競った様子が記される。また風流踊を疫病送りなどに用いる所では,他村との境まで踊りを掛けて順次送り出す形態もあり,伊勢神宮まで踊り継いだ伊勢踊やお蔭踊はその変型といえる。現在岐阜県郡上(ぐじよう)地方に加喜(かき)踊が残る。【山路 興造】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

掛踊
かけおどり

集落から集落へ踊りを掛け継いでいく方式の踊り。風流踊(ふりゅうおどり)や盆踊りに多くみられる。厄神(やくがみ)や盆の精霊、虫送りのときの悪霊など、長居無用の諸霊を村から村へと送り継いで最後に海へ送り出してしまおうとするもの。掛踊には諸霊のよりつく依代(よりしろ)が必要で、それは風流傘であったり、背中に負う竹刀(しない)や簓(ささら)であったりするが、諸霊をここに誘い込んで踊りの渦に巻き込み、やがて村境に送る。送り込まれた村はまた次の村へと群舞して送り継ぐ。近世初期の伊勢(いせ)踊が伊勢から踊り継がれて全国に広がった例があるが、今日では掛踊の名称だけが各地に残っている。古風を伝えるところは長野県下伊那(しもいな)郡天竜村坂部(さかんべ)の盆踊りなどで、ここでは群行して踊り込むことをカケルという。盆の期間、日をずらして土地の精霊、無縁仏、新仏などに次々に踊りをかけ、盆の17日未明に送り盆といって鉦(かね)、太鼓を打ちながら藪(やぶ)の中に諸霊を送り込む。[萩原秀三郎]

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世界大百科事典内の掛踊の言及

【明宝[村]】より

…80年には飛驒美濃有料道路が開通し,交通の便がよくなった。寒水(かのみず)地区に伝わる掛踊は,白山神社の例祭に奉納され,田打ち,奴,笛吹きなど総勢141人が登場して五穀豊穣を祈願する踊り。村立歴史民俗資料館所蔵の山村生産用具は国指定の重要有形民俗文化財。…

※「掛踊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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