搗ち栗(読み)カチグリ

デジタル大辞泉 「搗ち栗」の意味・読み・例文・類語

かち‐ぐり【×搗ち×栗/勝ち×栗】

クリの実を干して臼で軽くつき、殻と渋皮を取り去ったもの。「かち」が「勝ち」と同音であるところから、出陣祝勝に用いられた。正月祝儀などに用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「搗ち栗」の意味・読み・例文・類語

かち‐ぐり【搗栗・勝栗】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 栗の実を干して臼(うす)で軽く搗(つ)き、殻と渋皮とを取り去ったもの。搗(かち)は勝と音が通ずるので、出陣、勝利の祝いや、正月の祝儀などにも用いた。
      1. [初出の実例]「塩。搗栗各三斗」(出典:延喜式(927)五)
      2. 「次に又、内弁かちぐりをとりてめすよしして、懐中し給ひければ」(出典:古今著聞集(1254)三)
    2. 蚊帳(かや)をいう、人形浄瑠璃社会の隠語
  2. [ 2 ] ( 勝栗 ) 狂言和泉鷺流。大和と摂津の二人の百姓が上頭に年貢として柿、搗栗などを納め、それぞれ年貢によそえた和歌をよむ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android