デジタル大辞泉 「渋皮」の意味・読み・例文・類語 しぶ‐かわ〔‐かは〕【渋皮】 1 樹木や果実の表皮の内側にある薄い皮。タンニンを含んでいて渋い。あまかわ。2 あかじみてきたない肌。また、あか抜けのしない肌。しぶりかわ。[類語]木肌・木肌・樹皮・木皮・靭皮・表皮・竹の皮・甘皮 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「渋皮」の意味・読み・例文・類語 しぶり‐かわ‥かは【渋皮】 〘 名詞 〙① =しぶかわ(渋皮)①[初出の実例]「疵つけてくは猿柿やしぶりかは〈重興〉」(出典:俳諧・鸚鵡集(1658)七)② =しぶかわ(渋皮)③③ =しぶかわ(渋皮)④[初出の実例]「折し手のしふりかはをもむくげ哉〈高寿〉」(出典:俳諧・遠近集(1666)四)④ 一風変わっていること。[初出の実例]「子路出向ひ座につき、礼をなす事をせぬがちっとわれらもしぶり皮(カハ)とおのおのちかづきに成」(出典:洒落本・列仙伝(1763)) しぶ‐かわ‥かは【渋皮】 〘 名詞 〙① 樹木や果実の表皮の内側にある薄い皮。タンニンを多く含むため渋く、そこからの呼称。あまかわ。しぶりかわ。〔多識編(1631)〕② 渋柿の皮。[初出の実例]「しぶかはやむけばあまはだつるし柿〈盛政〉」(出典:俳諧・口真似草(1656)三)③ 衣類の下にある人の肌。また、動物の表皮。皮膚。しぶりかわ。[初出の実例]「のがれもやらで引あげられ、しぶかはも、むけよむけよとあらはれて」(出典:虎明本狂言・蛸(室町末‐近世初))④ あかじみてきたない皮膚。また、あかぬけしない容姿。しぶりかわ。[初出の実例]「白土を皆削をとして、鼻のしふ皮をもむかさず」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)八) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「渋皮」の意味・わかりやすい解説 渋皮しぶかわ タンニンを多く含む細胞からなる種皮の内側の膜質の部分をいう場合と、タンニンを含む樹木の樹皮の一部をいう場合がある。いずれもタンニンによって渋味をもつため、渋皮という。前者ではラッカセイやクリの果実のように珠皮(しゅひ)から生じ、その中に胚(はい)を包んでいる。後者ではシイ類やナラ属などのように樹皮に渋が生じる。わが国の良質のタンニン植物には、ツガ、ウラジロエノキ、ヤマモモ、クリ、カシワなどがあり、いずれも樹皮が用いられる。[吉田 治] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例