政治神学(読み)せいじしんがく(その他表記)politische Theologie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「政治神学」の意味・わかりやすい解説

政治神学
せいじしんがく
politische Theologie

C.シュミットの著書。 1922年刊。このなかで彼は,近代国家におけるすべての重要概念は世俗化された神学概念にほかならないと主張し,しかしながら近代議会制民主主義は,奇跡すなわち例外状況を政治の世界から追放した結果,国家の非常事態たる例外状況の決断を不可能にしたと批判する。そして,神学上の神概念を世俗化させた主権者,すなわち例外状況における決断者の独裁という観念を持出し,マルクス主義の階級神話に対抗するために民族神話を独裁の根拠とするところにこの議論の特徴がある。これは,神学を母体として生み出されてきた近代政治理論が,神学を否定して合理的理論を展開しようとして処理しえなかった政治の非合理的性格を逆手にとった議論であるといえる。

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