デジタル大辞泉
「逆手」の意味・読み・例文・類語
さか‐て【逆手】
《普通とは逆にした手の使い方の意》
1
㋐刃物の柄を、親指が柄の端、小指が刃の方になるように握ること。切腹するときの短刀の持ち方。
㋑器械体操で、鉄棒などを、手のひらを手前に向けて下から握る握り方。⇔順手。
2 相手の攻撃を利用して、逆にやり返すこと。ぎゃくて。「発言を逆手にとってやりこめる」
3 「逆手投げ」の略。
4 上代、人をのろうときや凶事に際して打ったという手の打ち方。詳細は未詳。天の逆手。
ぎゃく‐て【逆手】
1 柔道などで、相手の腕の関節を逆に曲げる技。逆。→関節技
2 相撲で、禁じ手のこと。
3 相手の攻撃をそらし、逆にそれを利用して攻め返すこと。また、ある状況などに対して、ふつう予想されるのとは反対の方法で応じること。さかて。「不利な条件を逆手に取る」
4 物の持ち方や握り方が普通とは逆であること。さかて。⇔順手。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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さか‐て【逆手】
- 〘 名詞 〙
- ① 古代の手の打ち方の一つ。人をのろうときや凶事のときに打つかしわ手。具体的にどのように打つかは未詳。手をからだのうしろに回して打つとも、人前から退くときに打つとも、また、手をうらがえして打つものともいう。→天(あま)の逆手(さかて)。
- [初出の実例]「後手、逆手、平手の名目は神代已来の旧伝なり」(出典:古今神学類編(1698)四九(古事類苑・神祇三七))
- ② 刀などを、ふつうの持ち方とは逆になるように持つこと。小指の方が刃に近いように、また、刃の方が自分の方に向くように持つこと。
- [初出の実例]「刀をさかてに抜きもちて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
- ③ 「さかてなげ(逆手投)」の略。
- [初出の実例]「六君夫高名相撲人也〈略〉小頭(こくび)・小脇・逆手等上手也」(出典:新猿楽記(1061‐65頃))
- ④ 体操競技の鉄棒などで、手の甲を下にして棒を下から握る握り方。⇔順手。
- ⑤ 相手の攻撃を逆に利用して改め返すこと。ぎゃくて。「逆手にとる」
ぎゃく‐て【逆手】
- 〘 名詞 〙
- ① 柔道などで、相手の腕の関節を反対に曲げて痛めつけるわざ。
- [初出の実例]「両腕を逆手(ギャクデ)に取って、捻上げたり」(出典:宝の山(1891)〈川上眉山〉一)
- ② 相撲で、使ってはいけない危険なわざ。
- ③ 相手の攻撃をそらし、それを逆用してこちらから攻め返すこと。また、ある状況や他人の行為などに対して、普通に予想されるような方法とは反対の方法で対処すること。
- [初出の実例]「逆手(ギャクテ)には、一層ふてぶてしく押して行くよりほかはなかった」(出典:大道無門(1926)〈里見弴〉厄日)
- ④ 物を握ったり持ったりするとき、通常の向きとは逆にすること。⇔順手。
- ⑤ 取引相場で、売りと買いを反対にして手を振ったり、めちゃくちゃの値段を唱えたりして相場をかき乱すこと。〔取引所用語字彙(1917)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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