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文弥人形 ぶんやにんぎょう

大辞林 第三版の解説

ぶんやにんぎょう【文弥人形】

延宝(1673~1681)頃流行した文弥節で演じる人形芝居。新潟県佐渡、石川県白山市、鹿児島などに残存。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文弥人形
ぶんやにんぎょう

人形芝居の一種。延宝(えんぽう)・元禄(げんろく)(1673~1704)のころに京坂で流行した文弥節を地として演じる。石川県白山(はくさん)市の深瀬(ふかぜ)でくまわし、同市の東二口(ひがしふたくち)文弥人形(通称でくまわし)、鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市東郷町の斧淵(おのぶち)文弥人形、宮崎県都城(みやこのじょう)市山之口(やまのくち)町の麓(ふもと)文弥人形がこれにあたる。江戸時代前期の劇界を彩った人形芝居で、発展途上の人形浄瑠璃(じょうるり)の姿をとどめている。人形遣いが着物の裾(すそ)から手を入れて操る裾突っ込み式の一人遣いという点で共通するが、手を操る構造に各地で違いがみえ、伝承の源は一様でないらしい。首(かしら)には一時代前の公平(きんぴら)人形を思わせるものもある。演目は『酒呑童子(しゅてんどうじ)』『大織冠(たいしょくかん)』のような古浄瑠璃本来のもののほか、『源氏烏帽子折(げんじえぼしおり)』『門出八島(かどでやしま)』『出世景清(しゅっせかげきよ)』のような近松門左衛門の初期の作品をもつ。間狂言(あいきょうげん)としての道化人形もある。なお、現行の佐渡の文弥人形(九座)は明治初頭の初発で、背中差し込み式で人形・首とも大ぶりである。[西角井正大]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の文弥人形の言及

【人形浄瑠璃】より

…淡路,阿波ともに,現在の人形は文楽の人形よりも大きいが,いずれも明治以降の変化で,古くは文楽人形よりもやや小さなものであった。 一方,古浄瑠璃を地とした文弥節の曲節による一人遣いの人形芝居が富山県(加賀文弥人形),鹿児島県(薩摩文弥人形),宮崎県(日向文弥人形),佐渡などに遺存した。加賀と薩摩は元禄期に上方から伝えられたといわれ,また日向は江戸後期に薩摩から伝来したとされている。…

※「文弥人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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