斎藤伝鬼房(読み)さいとうでんきぼう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斎藤伝鬼房」の意味・わかりやすい解説

斎藤伝鬼房
さいとうでんきぼう
(1550―1587)

戦国末期の剣術家、天流・天道(てんどう)流の祖。常陸(ひたち)(茨城県)の生まれで、主馬助勝秀(しゅめのすけかつひで)と称した。初め塚原卜伝(ぼくでん)について新当(しんとう)流を学び、1581年(天正9)鎌倉鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)に百日参籠(さんろう)して秘術を開悟し、天流と称して諸国を歴遊した。京都に上って一刀三礼の太刀(たち)を天覧に供し、判官に叙任して自ら井手判官入道伝鬼房と称した。帰国後、関東各地を巡回教授したが、38歳で真壁入道道無に謀殺された。

[渡邉一郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「斎藤伝鬼房」の解説

斎藤伝鬼房 さいとう-でんきぼう

1550-1587 織豊時代の剣術家。
天文(てんぶん)19年生まれ。塚原卜伝(ぼくでん)にまなぶ。鎌倉の鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)にこもって秘術をさとり,天流(天道流)をひらく。天正(てんしょう)15年神道流の桜井霞之助(かすみのすけ)をたおすが,その門弟たちに殺された。38歳。常陸(ひたち)(茨城県)出身。名は勝秀。通称は別に主馬助,井手判官入道。

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