断酒会(読み)ダンシュカイ

デジタル大辞泉 「断酒会」の意味・読み・例文・類語

だんしゅ‐かい〔‐クワイ〕【断酒会】

アルコール依存症の人が自発的に飲酒をやめるために、本人家族などが定期的に集まって体験談を語り合う自助グループ

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改訂新版 世界大百科事典 「断酒会」の意味・わかりやすい解説

断酒会 (だんしゅかい)

アルコール依存から脱却するために依存者たちが断酒を誓い,再飲酒しないように励ましあう会。アルコール依存症は,酒を断つために入院治療を行っても,退院して間もなく再飲酒してしまう例がきわめて多い。断酒するためには強い意志と己れにかつ努力がいる。それに失敗すれば,再飲酒の繰返しで社会からの落伍者になってしまう。

 アルコール依存者が飲酒の悪循環を断ち切り,自己破壊行動から逃れるために,孤独感からの解放と治療への動機づけのために,仲間たちでつくるグループ活動が断酒会である。アメリカで1935年に生まれた酒害者匿名会Alcoholics Anonymous(略称AA)は,ロックフェラー財団援助を受けて,今では世界的に発展している。日本にもAAはあるが,とくに匿名でなく集まる全日本断酒連盟がつくっている地区断酒会が全国各地にある。日本の断酒会の発足は1873年と記録されている。断酒会は依存者だけでなく,家族も加わるといっそう効果がある。
アルコール症
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断酒会」の意味・わかりやすい解説

断酒会
だんしゅかい
alcoholic anonymous

アメリカの断酒会 (AA) は 1934年,かつて慢性アルコール依存症であった株式仲買人医師が,「アルコール依存症の者同士助け合って,困っている人に奉仕することによって,自分もアルコールから脱出しよう」と呼びかけたことに始る。日本の断酒会の歴史は 1875年の横浜禁酒会に始るといわれるが,第2次世界大戦によって組織が壊滅した。 1957年アメリカの AAを参考にした東京断酒新生会が発足し,その後各地で組織づくりが進んで,63年に全日本断酒連盟が結成された。年に1度全国大会を開いている。今日,断酒会は慢性アルコール依存症患者の存在するところなら世界中どこにでもあり,各国文化に適した方法で運動を展開している。

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