新居浜太鼓祭り(読み)にいはまたいこまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新居浜太鼓祭り」の意味・わかりやすい解説

新居浜太鼓祭り
にいはまたいこまつり

愛媛県新居浜市で毎年 10月中旬の 3日間に一斉に行なわれる各地区の秋祭り総称。もとは各地区の神社ごとに旧暦 9月頃に祭日を決めて行なっていたが,近代になって祭日の統合が行なわれ,1966年から,全市をあげて同日に祭りを行なうようになった。全部で 51台の豪華な太鼓台を担ぎ回ることから太鼓祭りの名がある。新居浜市の川西,川東,下郷,又野,松神子,川東西部,船木角野泉川,中萩,大生院の各地区が,それぞれの神社の祭りに太鼓台を出し,神社に参るとともに地区内を担ぎ回り,市内各所で複数の太鼓台が 1ヵ所に集まって練る「かきくらべ」が行なわれる。太鼓台は文政年間(1818~30)の記録に神輿太鼓として登場し,やがて太鼓台と呼ばれるようになったもので,当初は担ぎ棒の長さ 7~8m,高さ 3mほどであったが,明治中期から昭和初期にかけて大型化した。今日の太鼓台は,長さ 12~13mの担ぎ棒の上に,禽獣や武者絵が刺繍された 8枚の豪華な垂れ幕で覆われた高さ 5m以上の四本柱が立ち,その上部に重(じゅう)と呼ばれる布団屋根が載り,宇宙を象徴するといわれる紅白市松模様天幕で最上部を覆ったもので,布団屋根の四隅には雲を表す装飾具の「くくり」と雨を意味する房が取り付けられている。「チョーサージャー」「ソーリャ,ソーリャ」「ソーリャ,エイヤーエイヤー,ヨイヤサーノサーサー」というかけ声ととともに車輪を付けて引くが,「かきくらべ」の際には車輪をはずし,約 150人の担ぎ手が担ぎ棒を高々と差し上げ,祭りの見どころとなっている。

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