新山舟橋跡(読み)しんざんふなばしあと

日本歴史地名大系 「新山舟橋跡」の解説

新山舟橋跡
しんざんふなばしあと

江戸期、湾曲しながら南流する北上川を川原かわら町から仙北せんぼく町へ南北に渡した奥州街道の舟橋。現在の南大通みなみおおどおり三丁目から仙北一丁目付近に架設されていた。正保城下(内閣文庫蔵)には舟橋はみえないが、「新山舟渡川口広四十七間深七尺」と記される。新山の名は近在する東中野ひがしなかの村にあった新山館に由来するという(盛岡砂子)。同書によれば、長さ七二間、かつては船渡しであったが、寛文(一六六一―七三)の初め幕府へ伺を出し、同三年舟橋を完成。川原町番所前から真っすぐに仙北町へ架けられたという。「江戸自慢」所収の日本大橋尽には、東前頭二枚目に「四十八艘並南部船橋」とある全国屈指の舟橋であった。延宝三、四年(一六七五、七六)頃に土橋が架けられたが(郷村古実見聞記)洪水のため落橋したらしく、同八年には四ッ家よっや町の勘三郎、うま町の又四郎らが、船渡時の御入用によって舟橋を架設する願いを出し、同年九月に完成。十三日じゆうさんにち町の半三郎という父子八人が渡初めを行い、祝儀として蔵米三駄、肴・樽・餅一櫃・白木綿一反・懸銭三〇〇文・まき銭二〇〇文を与えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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