新戒村(読み)しんがいむら

日本歴史地名大系 「新戒村」の解説

新戒村
しんがいむら

[現在地名]深谷市新戒

利根川小山こやま川の間の沖積低地に位置し、東は幡羅はら沼尻ぬまじり村、西は下手計しもてばか村・大塚おおつか村、北は高島たかしま村・中瀬なかぜ村。新開とも記し、新しく開発した地の意が村名の由来とされる。元禄(一六八八―一七〇四)検地で新戒村および上新戒村・下新戒村となるが、地域が錯綜しているため石高によって三分したといわれ、三村とも深谷領に所属(風土記稿)。中世の新開郷に比定され、平安末期に秦河勝の子孫新開忠氏が当地に館を構え、新開氏の祖となったという。その養子荒次郎実重は鎌倉初期に活躍した武蔵武士で、土肥実平の子息とされる(「千葉上総系図」続群書類従)。「吾妻鏡」建久元年(一一九〇)一一月七日条によると、源頼朝上洛の際に先陣を勤めた畠山重忠随兵に土肥荒次郎(新開実重か)の名がみえる。同四年五月二八日の曾我兄弟仇討の翌日に行われた曾我五郎時致の尋問に実重も立会っている(同書同日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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