日本経済連盟会(読み)にほんけいざいれんめいかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本経済連盟会」の意味・わかりやすい解説

日本経済連盟会
にほんけいざいれんめいかい

1922年(大正11)8月に結成された財閥資本を中軸に据えた総合的資本家団体で、経済団体連合会(現、日本経済団体連合会)の前身。略称経済連盟。全国商業会議所連合会の国際商業会議所への加盟問題を直接的契機として、日本銀行総裁井上準之助、三井合名理事長団琢磨(だんたくま)らによって組織された。会員は団体会員、法人会員、個人会員の3種からなり、団体会員には日本工業倶楽部(くらぶ)、東京・大阪銀行集会所、大日本紡績連合会などの資本家団体が加盟し、法人会員には三井合名、三菱(みつびし)合資、住友合資、安田保善社など四大財閥をはじめ、資本金500万円以上のおもな大資本が加盟した。会員数は1930年(昭和5)には649会員(団体13、法人165、個人471)となり、昭和初期の経済政策にかかわる独占資本の意志決定機関としての位置を占めるようになった。1946年5月に解散し、同年8月、経済団体連合会に再組織された。

[竹内壮一]

『堀越禎二編『経済団体連合会前史』(1962・経済団体連合会)』

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世界大百科事典(旧版)内の日本経済連盟会の言及

【経営者団体】より

…日本最初の経営者団体は商法会議所(現,商工会議所)で1878年,東京,大阪,神戸に設けられ,1927年にはその全国的機関として日本商工会議所がつくられた。一方,第1次大戦による工業発展をバックに1917年日本工業俱楽部(クラブ)が設立されたが,その後,工業,商業,金融を含む日本経済連盟会が設立され(1922),活動の中心はこれに移る。また労働問題を扱う雇主団体として31年全国産業団体連合会が設立された。…

【経済団体連合会】より

…1946年8月,経済団体連合委員会が改組され,社団法人として発足した。連合委員会は,日本経済連盟会(これが当時の主要経済団体だった。なお〈日本工業俱楽部(クラブ)〉の項目を参照),重要産業協議会,日本商工経済会(現,日本商工会議所),商工組合中央会(現,日本中小企業連盟),金融団体協議会,日本貿易団体協議会(現,日本貿易会)などをメンバーとする共同委員会であったが,経団連は単独の団体として発足した。…

【日本工業俱楽部】より

…鉄鋼自給政策,関税改正など経済政策に関する建議活動とならんで,労働問題に積極的に取り組み,浜口雄幸内閣時代の労働組合法案反対運動では先頭に立った。32年に団理事長が暗殺されてのちは,政策建議活動は日本経済連盟会(1922年設立,のち経済団体連合会に吸収)に,労働問題に関する活動は全国産業団体連合会(1931年設立,42年解散)に移して,日本工業俱楽部は財界人の社交機関に変質して,今日に及んでいる。第2次大戦直後は経済団体の戦後再編成を媒介する役割を果たした。…

※「日本経済連盟会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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