最新 地学事典 「日高変成帯」の解説
ひだかへんせいたい
日高変成帯
Hidaka Metamorphic Belt
北海道の日高山脈周辺に分布する高温型の広域変成帯。日高変成岩類は西側に分布する苦鉄質変成岩類を主とし,少量の砂泥質変成岩類を挟む下部変成岩層(グラニュライト〜角閃岩相)と,東側に分布し砂泥質変成岩類からなる上部変成岩層(角閃岩〜緑色片岩相)からなる。かつて日高地向斜・造山運動の中軸深成・変成帯と考えられていた。1970年代以降,グラニュライトとトーナル岩の全岩アイソクロン年代が55 Ma前後であることなどから,古第三紀に形成された島弧ないしは大陸地殻の衝上断片と考えられるようになり,非変成堆積岩類(中の川層群)からグラニュライト相に達する高度変成岩類まで連続的に露出する一連の地質体と捉えられた(小松正幸ほか,1986)。しかし2006年以降,ジルコンU–Pb年代測定が行われ,下部変成岩層で19 Ma前後,上部変成岩層で37 Ma前後の変成年代が得られ,日高変成帯は古第三紀の上部変成岩層と新第三紀の下部変成岩層とが結合した地質体と考えられるようになった(H. Takahashi et al.,2021)。参考文献:H. Takahashi et al.(2021) Island Arc, DOI: 10.1111/iar.12393
執筆者:高橋 浩
参照項目:日本列島とその周辺の地体構造区分
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

