明礬会所(読み)みょうばんかいしょ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

江戸時代、幕府から明礬の独占売買を許された会所。明礬は古くは中国から輸入され、唐(とう)明礬のなかの上品透明なものは、薬用として使用されていた。他方、国内でも豊後(ぶんご)国速見(はやみ)郡野田山(大分県別府市)をはじめとして、肥後(熊本県)、肥前(長崎県)島原、信州(長野県)松本および松代(まつしろ)、上州(群馬県)吾妻(あがつま)郡、薩摩(さつま)(鹿児島県)などでも明礬が生産されるようになり、おもに媒染(ばいせん)剤として広く利用されるようになった。そこで幕府は1735年(享保20)、江戸と大坂に明礬会所を設置して、明礬の会所以外での取引を禁止した。さらに1758年(宝暦8)には、京都、堺(さかい)にも会所を設けて、会所以外での脇(わき)売りを禁止した。その後、会所による統制は天保(てんぽう)の改革に伴う株仲間解散令の公布もあって中止されたが、1856年(安政3)にはふたたび実施されている。天保(1830~44)末での国内産の明礬が7~8万斤、いったん輸入が中止されていた唐明礬は5万斤を限って輸入が許可されていた。

[吉永 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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