ある繊維を直接染着性のない染料で染色する場合,あらかじめ適当な薬剤(媒染剤)でその繊維を処理して,染色を可能にする染法.
(1)セルロース繊維の塩基性染料,
(2)木綿,羊毛,絹の媒染染料,
(3)羊毛,絹,ナイロンの酸性媒染染料,
による染色がそれである.媒染剤として,
(1)ではタンニン酸およびカタノール,アルバテックスなどの合成品,
(2)にはクロム,アルミニウム,鉄,銅,スズなどの多価金属塩,
(3)には重クロム酸カリなどクロム化合物が,
用いられる.ただし,(1)および(2)は現在実用性はなくなっており,(3)のみが羊毛を主とする堅ろう染色に用いられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…媒染とは,金属塩(媒染剤)で前処理した繊維をこれと結合する染料で染めることをいう。金属としてはクロムがよく用いられていたことからクロム染料ともいう。…
※「媒染」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」