是定(読み)ゼジョウ

デジタル大辞泉 「是定」の意味・読み・例文・類語

ぜ‐じょう〔‐ヂヤウ〕【是定】

叙位のとき、うじの長者に代わってその氏人(特に、王氏たちばな氏)の叙爵申請する他氏の人の称。また、その叙爵の申請。

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精選版 日本国語大辞典 「是定」の意味・読み・例文・類語

ぜ‐じょう ‥ヂャウ【是定】

〘名〙
① 叙位のときに氏(うじ)長者(ちょうじゃ)にかわって、その氏人(うじびと)の叙爵の事(氏爵)を申請する他氏の人の称。王氏と橘氏にこの方式が見られ、王氏では第一親王が、橘氏では藤原氏公卿がこれに補せられる。長者とよばれることもあるが、一般には長者は氏人中の第一人者の称として、是定とは区別される。また、その人の行なう叙爵の申請。
西宮記(969頃)一「叙位に預る者〈略〉橘氏 是定の挙」
② 転じて、ある人をある官職・地位に推薦すること。
葉黄記‐寛元四年(1246)一〇月一三日「自関東時頼使〈安藤左衛門光成〉上洛、関東申次可相国之由是定」

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世界大百科事典(旧版)内の是定の言及

【氏長者】より

…山科の勧修寺を氏寺とする勧修寺流諸家はその顕著な例であるが,日野法界寺を氏寺とする日野流諸家,東山善勝寺を氏寺とする四条流諸家などもその例である。なお氏爵の推挙権を他氏の有力者にゆだね,これを氏長者とは別に,是定(ぜじよう)とよぶことも行われた。藤原氏が橘氏是定になったのがその例である。…

【姓氏】より

…源氏や橘氏の中で氏爵を推挙する公卿を欠く場合には,王氏は親王,橘氏は摂関家ないし村上源氏の公卿が臨時に(あるいは一定期間)長者の代理を務めた。これを王氏または橘氏の是定(ぜじよう)と言った。橘氏の是定は,梅宮神社や学館院(後にはその故地)をも管理した。…

※「是定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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