晒木綿(読み)さらしもめん

精選版 日本国語大辞典 「晒木綿」の意味・読み・例文・類語

さらし‐もめん【晒木綿】

  1. 〘 名詞 〙 さらして白くした木綿下帯襦袢(じゅばん)などに用いる。さらし。
    1. [初出の実例]「手に白い曝木綿(サラシモメン)の古新聞紙の切端に包んだのを持って居た」(出典:土(1910)〈長塚節〉二七)

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改訂新版 世界大百科事典 「晒木綿」の意味・わかりやすい解説

晒木綿 (さらしもめん)

小幅の生木綿地を漂白したもの。単にさらしとも呼ぶ。愛知県知多半島亀崎地方産出の知多木綿を,独特のさらし方を行って漂白した知多ざらしが有名。ほかに近江ざらし,野洲(やす)ざらしなども少量の生産がある。普通,やや太番手の綿糸を使い,あらく織った平織物で仕上幅32cm,長さ9.2~9.5mを1反とする。さらし上がりは柔らかく吸水性に富み,手拭(てぬぐい)地,和装肌着,産着,腹巻など広く使われる。麻織物のさらしでは苧麻の皮を陰干しにした青苧(あおそ)を原料とし,天日で漂白した奈良ざらし,野洲ざらしが起源古く,奈良ざらしは現在なお少量ながら生産されている。
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