智満寺(読み)ちまんじ

日本歴史地名大系 「智満寺」の解説

智満寺
ちまんじ

[現在地名]島田市千葉

大津おおつ谷の最北、千葉ちば(四九六メートル)中腹の森の中に所在する天台宗寺院。千葉山と号し、本尊千手観音。寺伝によれば宝亀二年(七七一)広智菩薩(下野国大慈寺三世)が開創し、のち源頼朝が千葉介常胤を奉行として中興したという。現藤枝市の高根たかね白山神社旧蔵の建久一〇年(一一九九)四月日の大般若経奥書(駿河志料)に「大願主藤原季茂 筆師智満寺玄鏡房」とあり、当寺の玄鏡房が清水きよみず(現藤枝市)の延命房らと大般若経を書写している。嘉元二年(一三〇四)三月一七日忍空が劔阿に与えた智証大師感得不動立印儀軌真言由来并血脈(金沢文庫文書)によれば、安貞二年(一二二八)七月二〇日当寺の尭真は、走湯山(伊豆山神社)東明とうみよう来迎らいごう院において住僧源延から円珍感得の秘法を伝授され、延応二年(一二四〇)三月二二日に当寺の尭豪に伝授し、尭豪は建長五年(一二五三)九月一日当寺において摂津四天王寺の真尊に伝授している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「智満寺」の解説

智満寺

静岡県島田市、標高約496メートルの千葉山山中にある天台宗の寺院。山号は千葉山。771年創建と伝わる。本尊の千手観世音菩薩、本堂は国の重要文化財、山頂付近に点在する杉の巨木群は「智満寺の十本スギ」として国の天然記念物指定

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