暖冬(読み)ダントウ

精選版 日本国語大辞典 「暖冬」の意味・読み・例文・類語

だん‐とう【暖冬】

  1. 〘 名詞 〙 例年より暖かい冬。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「暖冬とやわれ健康にあまなひて」(出典:銀河依然(1953)〈中村草田男〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「暖冬」の意味・わかりやすい解説

暖冬
だんとう

冬の3か月間の平均気温が平年並みの範囲を超えて高いとき、これを暖冬という。日本では、1980年代の後半からは暖冬傾向が続き、本州の日本海側の地域での降雪が少ない状態が続いている。

 暖冬が日本全国に及ぶことなく地域によって異なる場合は、たとえば北暖西冷とか北冷西暖といって暖冬の地域を指定していう。主として気圧配置からみたときの暖冬のいくつかの条件は次のとおりである。西高東低冬型の気圧配置が現れる回数が減少する。一方では、日本付近を移動性高気圧や低気圧などが通りやすくなる。またエルニーニョ現象が発生しているときには暖冬になりやすい傾向がみられる。2006年(平成18)から2007年にかけての冬に、記録的な高温になったのはエルニーニョ現象と関係していると考えられる。

[根本順吉・青木 孝]

『根本順吉著『地球に何がおきているか――異常気象いよいよ本番』(1987・筑摩書房)』『根本順吉著『熱くなる地球――温暖化が意味する異常気象の不安』(1989・ネスコ、文芸春秋発売)』『内嶋善兵衛著『四季の農業気象台』(1990・農林統計協会)』『根本順吉著『世紀末の気象』(1992・筑摩書房)』『根本順吉著『新版 たのしいお天気学4 冬のお天気』(1996・小峰書房)』『田中博著『偏西風の気象学』(2007・成山堂書店)』『上前淳一郎著『複合大噴火』(文春文庫)』

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