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温帯低気圧の後面を低気圧とともに移動していく高気圧をいう。温帯低気圧は寒帯気団と熱帯気団の間に出来るもので,移動性高気圧の前半部はこの寒帯気団,つまり相対的に寒冷で乾燥した空気でつくられる。それで高気圧の形態が識別されるのは地上から高さ3kmくらいまでの間で,その上は偏西風の南北にゆれる波動状の流れに変わっている。この上空の流れも移動性高気圧の前半部のところで沈降運動をもっているので,低気圧通過後のさわやかな天気をもたらすことが多い。移動性高気圧の後半部は次に続く温帯低気圧の前面に当たり,上空には南西から温暖な気流が入り始め,上層雲や中層雲が広がって偏西風の波動の峰(北方に寄った部分)に接続している。
→高気圧
執筆者:斎藤 直輔
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移動する高気圧のこと。シベリア高気圧、オホーツク海高気圧、小笠原高気圧のような停滞性の高気圧とは対照的な高気圧である。もっとも停滞性高気圧も、その中心は動いているが、ほぼ同じ地域内を不規則に動いたり、また一定方向に動く場合でも、きわめて低速(時速10キロメートル以下ぐらい)である。これに対し移動性高気圧は、ほぼ一定の、通常、西から東の方向に時速40~50キロメートル程度で比較的規則正しく動くのが特徴的である。長円形をしており、長軸の長さ(東西幅)は1000~3000キロメートル程度。春秋に温帯を東進することが多く、先行と後続の高気圧の間に低気圧(気圧の谷)があって、ともに上空の偏西風波動の東進に対応して動くので、これらが通ると、天気に3~4日の周期変化が現れる。
[倉嶋 厚]
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…この種のものは寿命が短くて,移動もごく小範囲に限られる。(2)温帯低気圧の後面に現れる移動性高気圧。これは相対的に寒冷な気塊からなり,寒冷高気圧に属するが,同時に上層の波動状の気流と組織化されていて,上層で集積,下層で発散する循環を維持する力学的構造も備えている。…
…このようなある大きさの組織的な構造が2日から10日以上持続するものが高気圧である。高気圧は,(1)停滞性のもの,(2)移動性のもの(移動性高気圧),(3)局所的なもの,の3種に分けられる。高気圧の名のごとく気圧の高い状態を維持する機構は二つある。…
※「移動性高気圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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