暦売(読み)こよみうり

精選版 日本国語大辞典 「暦売」の意味・読み・例文・類語

こよみ‐うり【暦売】

  1. 暦売〈四時交加〉
    暦売〈四時交加〉
  2. 〘 名詞 〙 暦を売ること。また、その人。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「暦奏(りゃくそう)〈略〉こよみ売」(出典俳諧・増山の井(1663)一一月)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「暦売」の意味・わかりやすい解説

暦売り
こよみうり

暦を売る商人のこと。戦国時代ごろから伊勢(いせ)暦が、さらに江戸時代に入って、京暦、江戸暦会津暦三島暦奈良暦薩摩(さつま)暦、南部の絵暦(盲(めくら)暦)などが各地で売られた。京坂では「大小柱(はしら)暦、巻(まき)暦」、江戸では「来年の大小柱暦、綴(とじ)暦」と呼び声をあげて売り歩いた。これらの暦は、とくに農・漁業に便利なので、1873年(明治6)に陽暦に改められたのちもなお用いられ、現在でも社寺縁日などで売られている。

[片岸博子]

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世界大百科事典(旧版)内の暦売の言及

【呼売】より

…また鼠取薬売は〈石見銀山ねずみとり薬〉と書いた長さ5尺ほどの幟をもって,京坂では〈猫いらず鼠とりぐすり〉と言い,江戸では〈いたずらものは居ないかな〉とも言った。シャボン玉売は,京坂で〈ふき玉やさぼん玉吹けば五色の玉が出る〉云々,江戸では〈玉や玉や玉や〉,暦売は京坂では〈大小柱暦巻暦〉,江戸では〈来年の大小柱暦とじ暦〉,閏(うるう)月のある暦を売るときはそれに続けて,〈閏あって十三ヶ月の御調法〉と言った。また,飴売もさまざまな売声で人気があった。…

※「暦売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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