三島暦(読み)ミシマゴヨミ

デジタル大辞泉 「三島暦」の意味・読み・例文・類語

みしま‐ごよみ【三島暦】

室町時代から江戸時代にかけて伊豆三島神社三嶋大社)が発行した仮名暦。江戸時代には幕府が伊豆・相模の2国にのみ頒布許可した。

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精選版 日本国語大辞典 「三島暦」の意味・読み・例文・類語

みしま‐ごよみ【三島暦】

  1. 〘 名詞 〙 室町時代、応安年間伊豆国(静岡県)の三島神社の川合氏で発行した、きわめて細かな仮名で記した暦。江戸時代には幕府の許可を得て、伊豆・相模(神奈川県)の二国に行なわれた。また、こまごました文字でくどくどと書いたもののたとえにも用いる。三島摺暦。
    1. [初出の実例]「三島暦、以是日上巳節、故作詩記之」(出典空華日用工夫略集‐康略元年(1379)三月四日巻末追抄)

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改訂新版 世界大百科事典 「三島暦」の意味・わかりやすい解説

三島暦 (みしまごよみ)

現在の静岡県三島市の河合家から頒行されていた暦。河合家は古く8世紀の終りごろ山城国より三島に下ってきており,その子孫が代々暦を頒行した。暦頒行がいつからであるかは不明であるが,地方暦としての歴史はもっとも古いと考えられ,ことに摺(すり)暦としては最古であることは,京都において三島暦ということばが,印刷された暦の代名詞に使われていたことにより知られる。貞享改暦以後は伊豆1国で,後に伊豆,相模の2国でのみ販売を許された。なお河合家を三嶋大社の下社家とする説が多い。
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世界大百科事典(旧版)内の三島暦の言及

【暦】より

…しかし日本最古の版暦は1317年(文保1)の具注暦である。15世紀から16世紀にかけての京都や奈良の文書には三島暦という名が版暦の代名詞として使われているところから,三島暦は摺暦(すりごよみ)としては先駆的なものと思われている。また大田南畝(なんぽ)は友人から借りたものを書写したとして1310年(延慶3),12年の具注暦を示し,元は版暦なりと注している。…

※「三島暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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