曲所・曲処（読み）きょくしょ

精選版 日本国語大辞典

きょく‐しょ【曲所・曲処】

〘名〙

① 曲がる所。

※史記抄（1477）三「汭は水の曲処を云ぞ」

② 限られた部分や場所。局所。

※日本開化小史（1877‐82）〈田口卯吉〉三「全国一般の法令行はれずして皆一地方に限り一曲処に止まれり」

③ 中心からはずれた所。また、よくない部分。

※最暗黒之東京（1893）〈松原岩五郎〉六「凡そ世にありふれたる人情の僻処、曲処、痛所、癢所は歴々として我等の眼底に映じ来るべくして」

④ 曲のしどころ。能楽で芸のみせ場。

※三道（1423）「能には本説の在所有るべし。名所旧跡の曲所ならば、其所の名歌名句の言葉を取る事」

出典　精選版 日本国語大辞典