デジタル大辞泉
「出来」の意味・読み・例文・類語
で‐き【出来】
1 ものができること。できあがること。また、できあがったもの。「南部出来の鉄瓶」
2 できあがった状態。できぐあい。できばえ。「試験の出来が悪い」「急いだわりにはりっぱな出来だ」「上出来」
3 みのり。収穫。「今年は米の出来がいい」
4 よくできていること。「出来不出来」
「弥次さん、ありゃあおめえ一生の―だぜ」〈滑・膝栗毛・四〉
5 「出来合い」の略。
「―で買って来た下駄箱には」〈花袋・生〉
6 「出来魚」の略。「出来ハゼ」
7 取引所で、売買が成立すること。
8 (接頭語的に用いて)にわかにできあがること、急に成り上がることなどの意を表す。「出来心」「出来分限」「出来あきんど」
[類語]仕上がり・出来映え・結果
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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で‐き【出来】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「できる」の連用形の名詞化 )
- ① 物が出てくること。しゅつらい。
- ② 物ができあがること。仕上がること。また、できたもの。仕上がり。しゅったい。〔和英語林集成(初版)(1867)〕
- [初出の実例]「宿の主人が特に出してくれた京出来の古い鉄瓶」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
- ③ できた状態。できぐあい。できばえ。成績。
- [初出の実例]「がくやより、地蔵の出来にして、ぶたいにてこしらへぬやうに、したらばよくあるべし」(出典:虎明本狂言・金津地蔵(室町末‐近世初))
- 「出来の悪い入歯というのは」(出典:他人の顔(1964)〈安部公房〉灰色のノート)
- ④ よくできていること。好成績。傑作。成功。
- [初出の実例]「相生・八嶋・野の宮・空八形・とうる・かしはざき・鵼、是にて雨ふり候。以上七番也。近年の出き能」(出典:禅鳳雑談(1513頃)上)
- 「彌次さん、ありゃアおめへ一生の出来だぜ」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四)
- ⑤ みのり。収穫。
- [初出の実例]「当年の紅の出来は、青苧は何程と入事ばかりを尋ね」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)
- ⑥ なりたち。おいたち。
- ⑦ 「できあい(出来合)」の略。
- [初出の実例]「其詩のこころは何と申事にやと問ければさすが出来のうそもつかれず」(出典:随筆・異本洞房語園(1720)下)
- ⑧ 「できうお(出来魚)」の略。
- ⑨ 取引市場で、売買取引きをすること。
- ⑩ ( 接頭語的に用いて ) にわかにできあがること。急になり上がること。「出来心」「出来商人」「出来分限」など。
しゅつ‐らい【出来】
- 〘 名詞 〙
- ① 外に現われていなかったものが出て来ること。しゅったい。
- [初出の実例]「余所労出来、持病也」(出典:玉葉和歌集‐仁安二年(1167)七月二二日)
- 「訴訟の人出来の時、若下情上に達せざる事もやあらんとて」(出典:太平記(14C後)一)
- ② 物事が起こること。事件が起こること。しゅったい。
- [初出の実例]「東三条御蔵町兵士去夜頓死、仍卅日穢出来」(出典:兵範記‐保元三年(1158)正月五日)
- ③ でき上がること。完成すること。成就。完成。しゅったい。
- [初出の実例]「金峯山訓者可二別書一也、書直可レ令レ献也。出来之後、召二知綱一、可レ令二清書一」(出典:後二条師通記‐寛治七年(1093)一〇月一〇日)
- 「テンチ xutrai(シュツライ) セシヨリ コノカタ」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
しゅっ‐たい【出来】
- 〘 名詞 〙 ( 「しゅつらい(出来)」の変化した語 )
- ① 出て来ること。あらわれ出てくること。
- ② 事件が起こること。また、事をひきおこすこと。
- [初出の実例]「さても不思議なることの出来(しゅったい)してあるよな」(出典:謡曲・親任(1541頃))
- ③ 物事ができあがること。完成すること。成就。完成。「近日出来」
- [初出の実例]「高麗国分見の絵図、出来(シュッタイ)したるや」(出典:浄瑠璃・百合稚高麗軍記(1742)一)
で‐け【出来】
- 〘 名詞 〙 =でき(出来)
- [初出の実例]「まづでけを拝まっしゃれい」(出典:狂言記・仏師(1660))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「出来」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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