石川県輪島市の海岸。能登(のと)半島北部、町野川河口から北へ約2キロメートルにわたり、国の名勝・天然記念物に指定され、能登半島国定公園の特別保護地区。流紋岩質火山角礫(かくれき)岩、パーライト、黒雲母(うんも)、角閃(かくせん)石流紋岩溶岩からなる岩倉山(357メートル)が断崖(だんがい)となって日本海に臨み、能登の親不知(おやしらず)とも称された。窓岩、尋岐(ひろき)の険、垂水(たるみ)の滝などの景勝地が続く。冬の季節風が強く、北方系の植物もみられる。能登半島外浦(そとうら)の男性的海岸美の代表で、旅館、民宿も多い。江戸時代、海岸には揚浜(あげはま)式塩田が開かれ、塩蔵も置かれた。国道249号が通じ難所はトンネルで抜けている。
[矢ヶ崎孝雄]
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