最高価格法(読み)さいこうかかくほう(その他表記)Maximum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最高価格法」の意味・わかりやすい解説

最高価格法
さいこうかかくほう
Maximum

フランス革命中の 1793年9月,貧民の生活安定のため必需品賃金などの最高価格を設けた山岳派政府の経済統制法。穀物 (1793.5.) や燃料 (93.8.) の最高価格法はすでに公布されていたが,不完全で民衆困窮はさらにひどく,9月,砂糖,肉その他 39品目の公定価格,違反者に対する処罰などのほか,賃金の最高価格の公定,賃金要求の禁止,就労強制などを含む一般最高価格法が制定された。しかしこれらは守られず,このため革命委員会は監視のための組織を設置し,強力な干渉を行い,経済面での恐怖政治が準備された。その後,賃金と物価矛盾が民衆を苦しめ,94年 12月 24日廃止された。

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世界大百科事典(旧版)内の最高価格法の言及

【恐怖政治】より

…93年3月10日に創設されていた革命裁判所は,同年9月に制定された反革命容疑者法に基づいて大量に投獄された反対派(反革命的な貴族や聖職者,ジロンド派,反革命内乱参加者など)の多数を迅速に断頭台に送った。経済政策としては,民衆の生活を安定させるための価格統制(最高価格法)や食糧の徴発などが励行されたほか,亡命貴族の財産が没収され,同時期には反革命容疑者の財産を没収する法律(バントーズ法)さえもが可決された。同時期に,山岳派内部に分派闘争が生じて,ロベスピエール派が左翼のエベール派と右翼のダントン派を処刑し,恐怖政治は最高潮に達したが,同年7月27日(テルミドール9日)にロベスピエールが失脚,恐怖政治は終りを告げた。…

※「最高価格法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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