公定価格(読み)コウテイカカク

デジタル大辞泉 「公定価格」の意味・読み・例文・類語

こうてい‐かかく【公定価格】

政府が定めた商品サービスの最高・最低・標準価格戦時戦後その他特殊な情勢もとで、物価を厳重に統制する必要があるときに行われることが多い。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「公定価格」の意味・読み・例文・類語

こうてい‐かかく【公定価格】

  1. 〘 名詞 〙 法令に基づき国家指定した物品販売価格経済統制の必要上、国家が一定品目につき価格を決定するもの。丸公公価
    1. [初出の実例]「紙屋、酒屋、油屋、蝋燭屋等の店頭へ物品の定価を筆太に認めて貼出させた。〈略〉今日の公定価格(コウテイカカク)である」(出典江戸から東京へ(1924)〈矢田挿雲一一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「公定価格」の意味・わかりやすい解説

公定価格
こうていかかく

政府によって決定される価格。社会主義計画経済では公定価格が原則であるが、資本主義経済でも戦時・戦後などの統制経済下で採用される。わが国ではこれを統制価格とよび、第二次世界大戦中の価格等統制令(1939年10月施行)によるもの、戦後インフレ期の新価格体系(1947年7月設定)などの例がある。なお自由経済下で、政策目的によって価格体系を意図的に改変しようとして採用されているわが国の公共料金制もこれに含められよう。

[一杉哲也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「公定価格」の意味・わかりやすい解説

公定価格【こうていかかく】

政府が経済統制を目的として,または国営事業による専売物品等につき決定する価格。狭義には前者をさし,物価統制令による指定価格が代表的なもの。公定価格の定め方には,最高価格を示すもの,最高・最低価格を示すもの,標準価格を示すもの等がある。→公共料金
→関連項目実効価格統制経済

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公定価格」の意味・わかりやすい解説

公定価格
こうていかかく

政府または地方公共団体が,価格などにつき,指定または決定し,あるいは許可,認可した統制額 (物価統制令4,7参照) 。物価統制令 4条による指定統制額すなわち指定価格はこの代表的なものであり,これは最高販売価格を示すものである。このほか,最高および最低の価格を示すもの,標準価格を示すものなどがある。なお,物価統制令によれば,統制額をこえる価格をもってする取引,不当に高価な取引,暴利の取引などは禁止され (3条,9条ノ2,10条) ,処罰される (33,34条) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android