朝日日本歴史人物事典 「月渚永乗」の解説
月渚永乗
生年:寛正6(1465)
室町後期の臨済宗の僧。諱は英乗とも書き,また玄乗とも称した。別号は宿蘆斎。薩摩(鹿児島県)の人。はじめ肥後(熊本県)清源寺の栖碧に参随し,明応6(1497)年に日向(宮崎県)で桂庵玄樹に師事,その法を嗣いだ。のち同国竜泉寺,安国寺の住持となり,島津氏に重んじられた。大永3(1523)年には遣明副使になっている。また桂庵から受け継いだ薩南学派の儒学の伝播に努め,法甥の一翁玄心およびその弟子の文之玄昌と共に,薩南学派を大成せしめたひとりとされている。<参考文献>武藤長平「桂庵禅師と薩藩の学風」(『歴史地理』21巻2号)
(石井清純)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報