遣明使(読み)ケンミンシ

デジタル大辞泉 「遣明使」の意味・読み・例文・類語

けんみん‐し【遣明使】

室町幕府に派遣した使節。応永8年(1401)足利義満あしかがよしみつが派遣したのが始まりで、使節は明国から送付してきた勘合を携行し、貿易にも当たった。→勘合貿易

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精選版 日本国語大辞典 「遣明使」の意味・読み・例文・類語

けんみん‐し【遣明使】

  1. 〘 名詞 〙 室町時代幕府が明国に派遣した使節。使節は明国の勘合符を携行し、貿易も行なった。応永八年(一四〇一)に始まり、のち、倭寇(わこう)が盛んになるに及んで廃止された。当時は入唐(にっとう)渡唐と称した。遣唐使

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「遣明使」の解説

遣明使
けんみんし

室町時代,日本から中国の明の皇帝に派遣した使節。明の太祖洪武(こうぶ)帝は,大宰府の地を押さえた南朝の懐良(かねよし)親王に使節を送り,入貢を求めた。懐良親王は当初通交を拒絶したが,1371年(応安4・建徳2)以降使者を派遣。足利義満も使者を送っている。一時通交は断絶したが,1401年(応永8)明との通交関係を開くため,義満は同朋衆(どうぼうしゅう)の祖阿(そあ),博多商人肥富(こいつみ)を派遣し,日本国王に封じられた。以後1547年(天文16)まで,19回遣明船を派遣。1404年以降の17回は勘合(かんごう)を所持し,日本国王の表文・別幅(べっぷく)を持参する正使(第1号船に乗船)には五山僧が選ばれた。これは,使節に外交交渉が可能な高い教養と,貿易を行う事務的能力が要求されたためである。

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