有井城跡(読み)ありいじようあと

日本歴史地名大系 「有井城跡」の解説

有井城跡
ありいじようあと

[現在地名]安芸市伊尾木

伊尾木いおき洞渓谷の上の台地にあり、南に土佐湾、西に伊尾木平野を望む。伊尾木川流域に広がる有井庄を本拠地とし、暦応二年(一三三九)大高坂おおだかさ(現高知市)で南朝方として戦った有井又三郎(西岡家文書)居城といわれる。

有井氏は戦国時代は安芸氏に従い、永禄一二年(一五六九)長宗我部氏によって安芸氏が滅ぼされた後は城をあけ、落去した。城には長宗我部美濃が入った(「土佐物語」巻六)。天正一七年(一五八九)の井尾喜村地検帳に「井尾喜古城」四代二歩が記され、それに続いて詰二三代五歩、二ノ屏一〇代、本ノ丸三七代もある。


有井城跡
ありいじようあと

[現在地名]五日市町石内 有井

標高五二・八メートルのまるこ山にある南北朝期の城跡。小規模ではあるが、中世山城面影を示している。「国郡志下調書出帳」に「山県備後守在城」とある。「佐伯郡誌」は「有井城は元南朝の忠臣有井三郎左衛門尉の築きしものにして、後山県備前の居城たり」と記す。「五日市町誌」は、「太平記」巻二一(先帝崩御事)に後醍醐天皇が死去した際、列挙される南朝方のうちに「安芸ニ有井」とあるのを当城主に比定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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