有賀峠
あるがとうげ
諏訪と伊那北部を結ぶ峠で、有賀村から南西へ約三キロの所にあり、標高一〇七一メートル。南東方に真志野峠がある。有賀峠は古くから利用され、中世において「諏方大明神画詞」に記す伊那廻湛の神事に際しては神使一行が往路も帰路もこの峠を通ったといわれ(上伊那郡誌)、「小平物語」には、天文一三年(一五四四)の「信州上伊那福与城攻之事」に「諏方・伊那の境有賀峠通りを二時計ニ打越、平出・赤羽に着」とある。また、天正一〇年(一五八二)二月末、織田信忠の将森長可が伊那からこの峠を越えて諏訪へ入り、搦手から高遠城を攻めたと伝えられている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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