木下道・行徳道(読み)きおろしみち・ぎようとくみち

日本歴史地名大系 「木下道・行徳道」の解説

木下道・行徳道
きおろしみち・ぎようとくみち

利根川舟運の拠点木下河岸(現印西市)と江戸川筋の行徳(現市川市)を結ぶ道で、いわゆる連水陸路。明治期に木下街道の呼称が定着したが、鮮魚が主要な扱荷であったためなま道と総称される道で、目的地により行徳道(吉岡家文書)と称した。また江戸中期からの香取神宮鹿島神宮息栖いきす神社(現茨城県神栖町)を巡る三社参詣や銚子磯巡りおよび飯沼いいぬま観音(現銚子市)などへの巡礼客が舟運利用者とともに増加したため「かしま道」「いんざい道」「木おろし道」などとも称され、鹿島道脇往還(秋本家文書)ともみえる。木下河岸より大森おおもり村―いずみ新田(以上現印西市)白井橋本しろいはしもと(現白井町)鎌ヶ谷村(現鎌ヶ谷市)上山かみやま新田―馬込まごめ村―藤原ふじわら新田(以上現船橋市)八幡やわた宿―本行徳ほんぎようとく(以上現市川市)に至る道で、天保一四年(一八四三)初版の富士見十三州輿地全図之内安房・上総・下総三国図や弘化四年(一八四七)の下総国輿地全図ではこの道筋が確認できる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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