漆器の素地がもつ天然の木目模様の美しさを、そのまま生かす目的の漆塗り法。素材は木目のよく現れる木種を選び、ケヤキ、カエデ、トチなどがよく用いられる。素地の表面に透明な漆で下塗り、中塗り、上塗りの3工程を施し、さらに油の混入していない上塗り漆を塗り、磨いて仕上げる。漆を塗る前に、木地を砥石(といし)に水をつけながら研ぎ、かつ木目に錆(さび)を埋めて目止めして平滑な面をつくる。さらに、黄、赤などに着色する場合があり、漆を塗る前に着色をする。着色剤は、黄色の場合、梔子(くちなし)、黄檗(おうばく)、雌黄(しこう)、石黄(せきおう)、オーラミン、チオフラビンなど、紅色の場合、べんがら、洋紅、スカーレット、フクシなどを使用する。黄色に着色する漆器に春慶塗(しゅんけいぬり)などがよくみられるが、紅色に着色した古い遺例に、奈良時代の法隆寺や正倉院にある赤漆(せきしつ)があげられ、紅(べに)木地蝋ともいう。
[郷家忠臣]
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...