木地蝋塗(り)(読み)キジロヌリ

デジタル大辞泉の解説

きじろ‐ぬり〔きヂロ‐〕【木地×蝋塗(り)】

漆芸の技法の一。透き漆を塗って素材の木目(もくめ)を生かす塗り方。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木地蝋塗
きじろぬり

漆器の素地がもつ天然の木目模様の美しさを、そのまま生かす目的の漆塗り法。素材は木目のよく現れる木種を選び、ケヤキ、カエデ、トチなどがよく用いられる。素地の表面に透明な漆で下塗り、中塗り、上塗りの3工程を施し、さらに油の混入していない上塗り漆を塗り、磨いて仕上げる。漆を塗る前に、木地を砥石(といし)に水をつけながら研ぎ、かつ木目に錆(さび)を埋めて目止めして平滑な面をつくる。さらに、黄、赤などに着色する場合があり、漆を塗る前に着色をする。着色剤は、黄色の場合、梔子(くちなし)、黄檗(おうばく)、雌黄(しこう)、石黄(せきおう)、オーラミン、チオフラビンなど、紅色の場合、べんがら、洋紅、スカーレット、フクシなどを使用する。黄色に着色する漆器に春慶塗(しゅんけいぬり)などがよくみられるが、紅色に着色した古い遺例に、奈良時代の法隆寺や正倉院にある赤漆(せきしつ)があげられ、紅(べに)木地蝋ともいう。[郷家忠臣]

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