漆器の素地がもつ天然の木目模様の美しさを、そのまま生かす目的の漆塗り法。素材は木目のよく現れる木種を選び、ケヤキ、カエデ、トチなどがよく用いられる。素地の表面に透明な漆で下塗り、中塗り、上塗りの3工程を施し、さらに油の混入していない上塗り漆を塗り、磨いて仕上げる。漆を塗る前に、木地を砥石(といし)に水をつけながら研ぎ、かつ木目に錆(さび)を埋めて目止めして平滑な面をつくる。さらに、黄、赤などに着色する場合があり、漆を塗る前に着色をする。着色剤は、黄色の場合、梔子(くちなし)、黄檗(おうばく)、雌黄(しこう)、石黄(せきおう)、オーラミン、チオフラビンなど、紅色の場合、べんがら、洋紅、スカーレット、フクシなどを使用する。黄色に着色する漆器に春慶塗(しゅんけいぬり)などがよくみられるが、紅色に着色した古い遺例に、奈良時代の法隆寺や正倉院にある赤漆(せきしつ)があげられ、紅(べに)木地蝋ともいう。
[郷家忠臣]
菊の節供,九月節供,重九 (ちょうく) ともいう。五節供の一つ。旧暦9月9日の節供で,奈良時代より,宮中では天皇が紫宸殿に出御し,群臣に宴を賜わり詩歌文章をつくらせる菊花の宴が行われ,年中行事となった...