さび

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

さび

俳諧用語。蕉風俳諧においてその本質,風趣についていう語。去来は「さびはの色なり。閑寂なる句をいふにあらず。たとへば,老人の甲冑を帯し戦場に働き,錦繍をかざりて御宴に侍りても老の姿有るが如し。賑やかなる句にも,静かなる句にも有るものなり」といっている。中世以来の幽玄美に,さらに枯寂な色調が加えられたもの。表面的,題材的な情調ではなく,対象をとらえる作者の心的観照,体験が「さび」をもっているのである。だから濃艶な題材を詠んでも「さび」は表われる。去来の「花守や白き頭をつき合はせ」の句について,芭蕉は「さび」色がよく表われたといってほめたという。

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デジタル大辞泉の解説

さび

鮨屋(すしや)で、わさびのこと。「さびぬき」

さび

日本風歌謡曲、ポップスなどの大衆音楽で、楽曲の聞かせどころをいう。「好きな曲のさびを着メロにする」
[補説]語源は不詳。「さびのある声」などと同語源か。音楽業界ではかなり早くから使っていたという。

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百科事典マイペディアの解説

さび

美的興趣をさす言葉で中世の歌論・連歌論にも用いられているが,とくに俳諧用語として一般化した。蕉風俳諧においては〈しをり〉〈ほそみ〉と並称される句の姿の目標である。中世の〈幽玄〉〈ひえ〉〈〉(わび)の美意識を,芭蕉が自らの俳諧にそのまま生かそうとした,芭蕉俳諧の根本精神。去来は〈さび〉を句の色であると説明する。
→関連項目さび(錆/銹)止め丈草

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