木戸宿(読み)きどしゆく

日本歴史地名大系 「木戸宿」の解説

木戸宿
きどしゆく

[現在地名]楢葉町下小塙

浜街道の宿場で、街道を挟んで東西に分れ、街道中央に堀が流れていた。「磐城志」に「広野から木戸上町へ一里、木戸上町至富岡二里二十六町、木戸下町から至富岡二里半」とある。前原まえばら村の矢内儀兵衛は貞享三年(一六八六)下町に移り、知行五〇石で本陣役を勤めた。矢内家は相馬藩から厚遇を受け、苗字帯刀・館入りを許された。天保年間(一八三〇―四四)には本陣役のほか村々の年貢米を買受けて手広く問屋業を営んだ。安政年間(一八五四―六〇)に至って多額の買受米の未納金を抱え復興することができず、同六年矢内家は前原村に戻ったため本陣も廃された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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