改訂新版 世界大百科事典 「木曾街道六十九次」の意味・わかりやすい解説
木曾街道六十九次 (きそかいどうろくじゅうきゅうつぎ)
中山道が木曾谷を通る部分を木曾街道(木曾路)というが,広義には中山道全体をいう。中山道は江戸日本橋より発し信濃,美濃,近江を経由して京都三条大橋へと至る,東海道に次ぐ主要道路であった。この間草津から京都までは東海道と重なるため,草津までで69駅となる。この街道を主題とした浮世絵版画《木曾街道六十九次》は1835年(天保6)から渓斎英泉によって始められ,38年前後に歌川広重が参加,42年ころ完成された。このシリーズは保永堂と錦樹堂の合板によるもので,英泉が24図,広重が46図を手がけ計70枚の大作であったが不評に終わった。他には,葛飾北斎の《木曾街道名所一覧》(1818)や歌川国芳の《木曾街道六十九次》などがある。
執筆者:松木 寛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報