朝日日本歴史人物事典 「木村九蔵」の解説
木村九蔵
生年:弘化2.10(1845)
明治時代の養蚕改良家。上野国緑野郡高山村(群馬県藤岡市)の豪農高山寅蔵(寅三)の5男。母さよ。養蚕改良結社高山社を組織した高山長五郎の実弟。武蔵国児玉郡新宿村(埼玉県神川村)の木村家の養子となる。明治10(1877)年には養蚕改良競進組(のちの競進社)を組織して「一派温暖育」と称する飼育法の伝教に力を注ぎ,また政府の命を受けてヨーロッパ蚕糸業の視察も行うなど,養蚕技術の改良と普及に活発な活動を行った。兄長五郎の活躍に刺激され,高山社と競いながら切磋琢磨したのである。競進社模範蚕室は埼玉県に現存している。<参考文献>村松敏「『蚕飼の鑑』解題」(『明治農書全集』9巻)
(松村敏)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報