本郷村善九郎(読み)ほんごうむらぜんくろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「本郷村善九郎」の意味・わかりやすい解説

本郷村善九郎
ほんごうむらぜんくろう
(?―1774)

江戸中期の義民。飛騨(ひだ)国吉城(よしき)郡本郷村(現岐阜県高山市)の村役人。1773年(安永2)高山代官は、支配下の幕領に対し、検地増税をしようとした。これに反対した農民が、まず大垣藩、ついで江戸の老中越訴(おっそ)し、さらに国元で代官所に強訴した。善九郎はこの後半の強訴の指導者で、翌74年12月獄門となった。彼の獄中から妻にあてた達筆な遺書(県の文化財)が残っている。これが安永(あんえい)騒動であるが、代官大原彦四郎の名をとって大原騒動ともいう。

[横山十四男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本郷村善九郎」の解説

本郷村善九郎 ほんごうむら-ぜんくろう

1757-1775* 江戸時代中期の一揆(いっき)指導者。
宝暦7年生まれ。飛騨(ひだ)(岐阜県)吉城(よしき)郡本郷村の村役人。安永2年幕府の検地強行に反対しておきた農民一揆(大原騒動)を頭取として指導し,安永3年12月5日処刑された。18歳。獄中から妻かよにあてた遺書が子孫万葉(ばんば)(馬場)家にのこる。姓は馬場。本姓は石神

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む